「鉄玉子」に貧血改善や鉄分補給の効果はあるのか?

ほうれん草

貧血の改善や鉄分の補給には、鉄の鍋やフライパンを使うといいと聞きますが、食材のこびりつきや手入れが面倒という問題があります。
ちょっとした一手間が苦にならない人には、良いかもしれませんが、その一手間が面倒に感じてしまいます。

しかし、「鉄玉子を使えば手軽に鉄分補給ができるらしい」と聞き調べてみました。

「鉄玉子」とは

南部鉄器の鉄玉子が一番知られていると思います。
一番知られているのが、玉子型をした鉄の塊だと思いますが、他にも、ドラえもんやキティ、スヌーピーといったキャラクター型、ちょっと面白いものでは土偶型もありました。

この鉄玉子を入れてお湯を沸かせば、溶け出した鉄分で、手軽に鉄分補給できると言われています。

鉄玉子の使い方

1・鉄玉子をヤカンに入れてお湯を沸かす。
2・使い終わったら鉄玉子をお湯から出して、ふきんやパットなどに乗せ乾燥させる。

・お湯が熱いうちに取り出すと、鉄玉子自身の熱で水分が自然と乾く。
・鉄玉子自体も熱くなっているので、火傷に注意する。

鉄玉子で摂れる鉄分の量は? 

鉄玉子を入れて1リットルのお湯を沸かした場合の鉄分量

・沸騰時:0.042mg

・3分後:0.050mg
・5分後:0.069mg 

5分間沸騰させつづけた場合は0.069mgの鉄が溶け出す事がそうですが、こうして数値になってみると随分と少ないなと思いました。

少ないですが、鉄製品から溶け出す鉄分は「二価鉄なので吸収率が高い」そうです。

200ミリリットルのカップに入れると、5杯分。
白湯を5杯飲んで、0.069mgの鉄分補給。

「何もしないよりかはマシ?」と言った所なのでしょうか。一応、鉄分の補給にはなっている?
でも、貧血を改善させるほどの効果はない感じでしょうか? 少ないですから。

鉄玉子から摂れる鉄分の「二価鉄」とは?

鉄玉子から解け出る鉄分は「二価鉄」に分類され、吸収率がよいそうです。

しかし、二価鉄って何?
「肉や魚のヘム鉄」や「植物の非ヘム鉄」とは違う種類なのかと思ったら違いました。

●レバーや赤身の肉や魚などの動物性食品に含まれる「へム鉄」
・二価鉄。
・吸収率良いが、それでも10~20%程度。

・たんぱく質に覆われており、タンニンなどの影響を受けにくい、吸収されやすい鉄分。

・南部鉄で沸かしたお湯に溶け出ている鉄は「二価鉄」
ヘム鉄に分類される。

●野菜や大豆製品、ナッツ類などの植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」
・三価鉄。
・吸収率が悪く、1~5%程度。

・たんぱく質に覆われていないため、タンニンなどの影響を受け、吸収されにくい鉄分。 
(非ヘム鉄を吸収するには、ビタミンCやかんきつ類などの酸性の物と一緒に摂る必要がある)

ヘム鉄・非ヘム鉄に続く、第三の種類の鉄分かと思ったら、「二価鉄は、ヘム鉄」という事らしいです。

二価鉄より、栄養素やサプリメントとして馴染みのある「ヘム鉄」の方が分かりやすい気がしますが、鉄から溶け出る鉄分の種類はヘム鉄ではなく二価鉄という言い方になっています。何ででしょうね。

しかし、吸収率がよいと言っても、10~20%くらいなので、体に吸収されるのはさらに少ない。
貧血改善に効果はないといわれても納得してしまいます。

鉄玉子から、より鉄分を溶出させるには

・水:1リットル
・お酢:小1

・水とお酢、鉄玉子をヤカンや鍋に入れて沸騰させる。

・お酢やクエン酸、レモン果汁などの酸性のものを入れると鉄分の量が増える
・酢:10%を加えると鉄の量は2.26mgに増加する。

ただ、味が限りなく薄めた酢水なので、そのまま白湯として飲むと微妙な味がして不味いです。
一杯は飲めるけど、二杯目はちょっと……。

煮物や汁物など料理に使うなら味付けもしますし、それほど気にならないと思います。

鉄玉子は結局の所、鉄分補給の効果はあるのか?

鉄鍋や鉄玉子を使った研究結果があるそうです。
貧血かどうかの判断の目安となる「ヘモグロビン値」や「鉄の数値」が改善した人が一部いる、という結果らしいです。

「ヘモグロビン値」が改善した人は「一部いる」らしいので、「人による」といった所なのでしょうか。

しかし、鉄玉子は病院や介護施設でも使われているらしいので、全く効果がないわけでもないようです。
鉄分不足による鉄欠乏性貧血に一定の効果が期待できると言われているそうなので、ちょっと、期待してしまいます。